睡眠

腸内細菌と睡眠の関係

眠る猫

睡眠をつかさどるメラトニン

睡眠の質は、体内で生成される「メラトニン」という睡眠ホルモンの影響を大きく受けます。

メラトニンは、主に夜になると分泌され、体内時計に働きかけることにより、覚醒モードと睡眠モードを切り替えて、体を睡眠へと導きます。つまり、メラトニンが多く分泌されれば、夜ぐっすり熟睡できるようになるのです。

また、メラトニンには老化や生活習慣病の原因である活性酸素を除去する働きがあります。疲労回復や病気の予防にも効果があり、人間の健康そのものに大きく関わるホルモンです。

メラトニンを作り出すセロトニン

メラトニンは、脳内にある「セロトニン」という感情をコントロールするホルモンをもとに作られますが、このセロトニンの原料となっているのが、必須アミノ酸のひとつである「トリプトファン」です。

必須アミノ酸とは、体内で合成することができないアミノ酸なので、魚、肉、大豆製品、卵、ナッツ、バナナなど、トリプトファンが含まれる食品から取り入れる必要があります。しかし、トリプトファンを摂取するだけではセロトニンを作り出すことはできません。実は、トリプトファンを元にしてセロトニンを作り出しているのは、腸内細菌なのです。

セロトニンを効率的に作り出すには?

腸でセロトニンを効率よく作るためには、エネルギー源としての炭水化物、そしてセロトニンを合成するために必要な、魚、肉、卵などに含まれるビタミンB6を摂るのが効果的です。しかし、それらの栄養素をいくら摂取しても、腸内環境が乱れていると吸収される量が減ってしまうため、セロトニンを生成する力が低下してしまいます。

トリプトファもセロトニンも、それを生成するために腸内細菌の力が必要不可欠。上質な睡眠のためには、健康的な腸内環境を保つ必要があるのです。

睡眠が左右する
自律神経も
腸内環境に関わっている

自律神経とは、呼吸、血液循環、消化吸収など、人間の体にとってなくてはならない働きを24時間休みなしでコントロールする神経のことです。

行動時や昼間に活発になるアクセルの働きをする「交感神経」、安静時や夜に活発になるブレーキの働きをする「副交感神経」の2種類があり、この2つがバランスよく働くことにより、自律神経は正常に保たれます。逆に不規則な生活により、自律神経が乱れると、さまざまな不調がでてくるのです。

消化吸収をつかさどる腸ももちろんこの自律神経のコントロール下にある器官であるため、自律神経が不調なときは、腸も正常な働きをすることができず、便秘や下痢といった、さまざまな不調をきたしてしまいます。

自律神経を正常に動かすために特に必要なのが十分な休養、つまり睡眠です。腸内環境を整えることで、しっかりと熟睡できる状態を維持していきましょう。

不眠と腸内環境悪化の
悪循環に注意

腸の健康が良質な睡眠につながる一方、十分な睡眠もまた、良好な腸内環境づくりに影響を与えています。

健康な人の腸は夜寝ている間に活動するため、睡眠時間が減ると腸が満足に動けなくなります。すると便をスムーズに排泄できなくなり、便秘や下痢が起きやすくなるだけでなく、腸内環境が悪化して体の不調を招きます。前述の通り、メラトニンも活発に分泌されなくなるので、さらに睡眠の質が下がるという悪循環に陥ってしまいます。

健康のためには、腸の健康を保ち、しっかりと休息することが大切です。毎日規則正しいリズムで、しっかりと睡眠をとるようにしましょう。

睡眠をとっているのに
腸内環境が良くない…
そんな時は?

睡眠の質を高めるためには、リラックスできる環境を作ることも大切です。シーツやパジャマを肌触りの良いものに替えるだけでも、良い変化が得られるかもしれません。

また、毎日睡眠をとっているのにスッキリしない人は、睡眠ホルモンである「メラトニン」を合成するのに必要な「セロトニン」を作り出すための栄養素が不足しているか、その栄養素を吸収し、セロトニンを合成するための腸内環境が整っていない可能性があります。

腸内環境を改善するためには、栄養バランスの良い食事を心掛けつつ、腸内環境を整えるサプリメントを取り入れるのも効果的です。

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参考サイト・参考文献

  • 藤田紘一郎(2011)『腸内革命』海竜社